常夏シンガポール

常夏シンガポール

日本大使館に来ると、私が日本という国を離れ、外国人として生活していることを改めて実感します。
ここは常夏のシンガポール。
昨年、夫の仕事関係で住み慣れた東京都杉並区和泉を離れ、子どもたちと共にこちらに引っ越してきました。
渡星以降、ゆ~っくりと時間をかけながらまるで慣らし運転をするかのような毎日。
コロナの影響によって、本来のアジアの経済大国と言われるこれまでのシンガポール生活を満喫できる状況ではないですが、ちょっとゆるっとしたこの南国生活にも少しずつ慣れてきました。
とは言え、日本と同じくコロナ禍のシンガポール。政府は全力でシンガポーリアンの国民はじめ在住者にとって「健康を守る策」を講じています。
時には厳しい~と感じながらもこれも自分たちの生活のためと思い、日々厳格な規制、ルールを守りながら過ごしています。
「住んでいなきゃわからないこと」など教育面や習慣、生活のほんの小さなとある部分の違い、ちょっとしたトピックを取り上げたり、日々なんとなく感じていることをこのブログで発信していけたらと思っています。
「常夏 シンガポール通信」、ご興味のある方はお付き合いくだされば幸いです。

さて、前置きが長くなりましたが、今回この日本大使館に来館した目的は、パスポートの更新です。
これがないと帰りたくても帰国出来ません。
領事窓口で10年ぶりの更新。外見は変わっていない様子で、引き続きICチップ入りです。
しか~し、中身は随分と変わりました。
査証のページに葛飾北斎の「冨嶽三十六景」が!

大使館に掲示されている外務省のポスターには「旅券 北斎、2020年発給開始。北斎の富士山と共に海外へ」と書かれています。
冨嶽三十六景は世界的にも広く知られ、世界遺産でもある富士山がメインモチーフ。私が今回新たに受け取った10年パスポートでは24作品が、5年パスポートには16作品が使用されています。
日本で現代のパスポートと同様の海外渡航文書の発給が始まったのは1866年。
そして今回初めて芸術作品が用いられることになりました。
この葛飾北斎の新しいバージョンのパスポートは日本文化の発信だけでなく、浮世絵を描くことによってデザインが複雑化され、偽変造防止対策をより強化する目的もあります。

10年用の真新しいパスポートを眺めていると甲州という文字が。
ふと甲州街道を思い出し、下高井戸から明大前、代田橋の風景が目に浮かびます。

*詳細は外務省のホームページでご確認ください。

当たり前でしょうがパスポート番号も変わりましたので、私のビザも変更届が必要になりました。これはオンラインでできるのであっという間に完了。

こちらは、フランスのテレビで流れている動画。冨嶽三十六景などの浮世絵が相撲レスラーとともにいろんなスポーツをしながら出てきます!
美術館に自由に行けるようになれば、葛飾北斎などの浮世絵を実際に見に行きたいと思います。

日本大使館にはこちらに関連したポスターも貼られていました。
手続きを進めるため、用紙を持ち帰りました。また来館予約をしてお散歩がてら再訪することにします。

シンガポールの日本大使館は、世界のトップメゾンが多く集まっているオーチャードから歩いて10分ほどのところにあります。
お隣はフィリピン大使館、少し歩くと旧サウジアラビア大使館、そしてタイ大使館。
シンガポールの国土は狭いので、各国の大使館も意外と近いところにあります。

日差しが強い日は少し歩くだけでも暑いです。
ん?日本は梅雨の時期ですか。
ちょっと早くないですか??